精液の色は、健康状態を映す重要なサインです。
通常は乳白色〜白色で、pH7.2〜8.0の弱アルカリ性を示します。
黄色・茶色・ピンク色・赤色など色の変化が2日以上続く場合、前立腺炎・血精液症・性感染症といった疾患が背景にある可能性があります。
原因は10種類以上にのぼるため、精液の色がおかしいと感じたら早めの受診が重要。
泌尿器科での超音波検査やPSA検査を経て、7割以上のケースで3〜4週間の治療により改善が見込めます。
精液の正常な色は白〜灰白色!WHOが定める基準値と異なる色の見分け方
精液の色は男性の健康状態を反映する重要な指標の一つです。
世界保健機関(WHO)が定める精液検査の基準では、正常な精液は不透明で乳白色から灰白色を呈するとされています。
精液の色や透明度は精子濃度と密接に関連しており、精子が少ないと透明に近づき、多いと白濁が強くなる傾向があります。
また、禁欲期間が長くなると精液がやや黄色みを帯びることがありますが、これは古い上皮細胞から放出されるリポフスチン顆粒の蓄積によるもので、多くの場合は心配する必要がありません。
精液の色に異常を感じた場合は、まず正常な色の範囲を理解した上で、変化の程度や持続期間を観察することが重要といえます。
「正常な精液は不透明で乳白色ですが、赤血液が混入(血精液症)している場合は赤褐色を呈し、黄疸がある場合やビタミン剤や薬剤を内服している場合には黄色調を呈しています」
精液の色は白〜灰白色が正常!前立腺液と精嚢分泌液が乳白色の原因
精液の正常な色は白色から灰白色であり、これは前立腺液と精嚢分泌液の成分によって決まります。
WHOの精液検査マニュアル第6版によると、正常な精液の外観はクリーム色/灰色がかった乳白色(cream/grey-opalescent)と定義されています。
精子そのものは精液の構成要素としては少量であり、精液の色は主に前立腺や精嚢からの分泌液によって決定されます。
長期間の禁欲後には、精嚢内で死んだ上皮細胞からリポフスチン顆粒が蓄積し、精液がわずかに黄色みを帯びることがあります。
これは加齢でも同様の変化が起こるため、薄い黄色は必ずしも異常とはいえません。
“Normal semen appearance typically appears cream/gray, opalescent, or off-white. This is due to the secretions of the prostate and seminal vesicles rather than the sperm component.”
引用元:Ejaculation: the Process and Characteristics From Start to Finish – PMC
精液の色が薄い・透明に見える場合は無精子症や乏精子症の可能性
精液の色が通常より薄い、あるいは透明に近い場合は、精子濃度の低下が原因である可能性があります。
WHOの基準(第6版、2021年)では精子濃度は1600万/mL(第5百分位数)が参考下限値とされていますが、これを大きく下回ると精液の白濁度が低下して透明に見えることがあります。
精子濃度が著しく低い状態を乏精子症、精液中に精子がまったく認められない状態を無精子症と呼びます。
透明な精液が続く場合は、精路の閉塞や造精機能障害が疑われるため、泌尿器科での精液検査を受けることが推奨されます。
ただし、射精間隔が短い場合にも一時的に精液が薄くなることがあるため、複数回の検査で確認することが大切です。
精液の色の薄さと妊孕性(妊娠させる能力)には関連があるため、妊活中の男性は特に注意を払う必要があるでしょう。
「精子濃度と総精子数はどちらも妊娠までの期間と妊娠率の両方に関係し、妊孕(にんよう)性を予測する因子となります。総精子数が基準値を下回った場合には『乏精子症』、精液中に精子を認めなかった場合には『無精子症』と表現されます」
引用元:東邦大学医療センター大森病院 臨床検査部
精液が黄色い原因は膿・黄疸・禁欲の3つ!色の濃淡で病気を判断する方法
精液が黄色くなる原因は大きく分けて3つあります。
感染症による膿の混入、肝機能障害による黄疸、そして長期禁欲や特定の薬剤・サプリメントの摂取です。
黄色の濃さによって原因を推測できる場合があり、鮮やかな黄色は黄疸を、くすんだ黄色は膿精液症を示唆することがあります。
薄い黄色であれば禁欲期間が長かったことやビタミンB群サプリメントの影響である可能性が高く、多くの場合は自然に改善します。
精液の黄色化が続く場合や、排尿痛・発熱などの症状を伴う場合は、感染症の可能性があるため早めの受診を検討してください。
黄色い精液は膿精液症の可能性が高い!前立腺炎や性感染症による白血球増加が原因
精液が明らかに黄色く見える場合、膿精液症(pyospermia)の可能性を考慮する必要があります。
膿精液症とは、精液中の白血球数が100万/mL以上に増加した状態を指し、過酸化酵素染色によって診断されます。
白血球増加の原因としては、前立腺炎、精嚢炎、尿道炎などの泌尿器感染症が最も多く、クラミジア、淋菌、ウレアプラズマなどの性感染症も重要な原因となります。
膿精液症では精液の色が黄色くなるだけでなく、精子の運動能低下やDNA損傷を引き起こすことがあるため、不妊の原因になる場合もあります。
排尿時の痛みや会陰部の不快感を伴う場合は、感染症の可能性が高いと考えられます。
早期に泌尿器科を受診し、適切な抗菌薬治療を受けることで症状の改善が期待できるでしょう。
“Pyospermia (or leukocytospermia) is suspected based on the presence of >1 × 10^6 round cells/mL of ejaculate and diagnosed using peroxidase stain revealing >1 × 10^6 white blood cells/mL.”
黄疸がある男性の精液は鮮黄色に変わる!肝臓の機能低下とビリルビンの関係
肝機能障害により血中ビリルビン濃度が上昇すると、精液が鮮やかな黄色を呈することがあります。
ビリルビンは赤血球の分解産物であり、通常は肝臓で処理されて胆汁として排出されます。
しかし、肝炎、肝硬変、胆道閉塞などで肝機能が低下すると、ビリルビンが血中に蓄積して黄疸を引き起こします。
この状態では皮膚や眼球の白い部分が黄色くなるだけでなく、精液も黄色に染まる可能性があります。
アルコールの過剰摂取による肝障害でも同様の変化が起こりうるため、習慣的な飲酒がある方は注意が必要です。
精液の黄色化とともに皮膚の黄染や全身倦怠感がある場合は、内科での肝機能検査を優先すべきといえます。
“Jaundice, secondary to excessive bilirubin levels, can also result in a yellow appearance of the semen.”
引用元:Ejaculation: the Process and Characteristics From Start to Finish – PMC
薄黄色の精液は長期禁欲やビタミンB2サプリが原因!自然に改善する場合も多い
精液がうっすらと黄色みを帯びている程度であれば、生理的な変化である可能性が高いといえます。
禁欲期間が長くなると、精嚢内で古い上皮細胞からリポフスチン顆粒が蓄積し、精液がやや黄色くなります。
加齢によっても同様の変化が起こるため、中高年男性では薄黄色の精液は珍しくありません。
また、ビタミンB群(特にビタミンB2:リボフラビン)を含むサプリメントや、結核治療薬のリファンピシンなどの薬剤は体液を黄色〜オレンジ色に着色することが知られています。
ニンニクやターメリックなど特定の食品を多量に摂取した場合にも、精液の色に影響を与える可能性があります。
これらの原因による黄色化は、禁欲期間の調整や薬剤・サプリメントの中止によって自然に改善するケースがほとんどです。
“A mild gradual yellowing of the semen is normal with age and/or prolonged abstinence from ejaculation. This yellowing is secondary to the accumulation of lipofuscin granules from dead epithelial cells that are shed in the secretions of the seminal vesicles.”
引用元:Ejaculation: the Process and Characteristics From Start to Finish – PMC
精液が赤色・ピンク色の場合は血精液症!炎症から腫瘍まで10の原因を分類
精液に血液が混じってピンク色や赤色に見える状態を血精液症(hematospermia)と呼びます。
血精液症は男性にとって非常に不安を感じる症状ですが、多くの場合は良性の原因によるものです。
系統的レビューによると、血精液症の原因として最も多いのは泌尿器感染症や炎症性疾患であり、次いで前立腺・精嚢・尿道の結石が挙げられます。
40歳以上の患者では約5.4%で悪性腫瘍が検出されていますが、その大多数は前立腺癌です。
約半数のケースでは原因が特定できない特発性血精液症であり、自然軽快することが多いとされています。
血精液症の原因は炎症性、感染性、結石性、嚢胞性、閉塞性、腫瘍性、血管性、外傷性、医原性、全身性の10カテゴリーに分類されます。
「原因として精嚢、前立腺、尿道の炎症、結石、腫瘍などが考えられます。まれに悪性の腫瘍ができている事があるので、泌尿器科を受診し検査をうけましょう。前立腺生検後にみられる血精液症は心配ありません。」
引用元:杏林大学医学部付属泌尿器科教室
精液に血液が混じる血精液症は前立腺炎や感染症が最多原因
血精液症の非医原性原因として最も多いのは、前立腺炎をはじめとする泌尿器感染症です。
前立腺や精嚢に炎症が起こると、組織の充血や毛細血管の損傷により出血が生じ、精液に血液が混入します。
クラミジアや淋菌などの性感染症、結核菌による泌尿器結核も血精液症の原因となりえます。
系統的レビューでは、血精液症患者の約20%で泌尿器感染症が診断されており、炎症性疾患も同程度の割合で認められています。
感染症が原因の場合は、排尿痛や頻尿、会陰部痛などの症状を伴うことが多いとされます。
適切な抗菌薬治療により、感染症に伴う血精液症は比較的速やかに改善することが期待できます。
“Common etiologies were urogenital infections/inflammatory conditions followed by prostatic, seminal vesicular or urethral calculi. Etiology was unknown in 51.8%.”
新鮮な赤色と古い茶色で病態が異なる!赤血球の酸化で色が変わる理由
精液に混じる血液の色は、出血からの経過時間によって変化します。
新鮮な出血では精液が鮮やかな赤色やピンク色を呈しますが、時間が経過した出血では茶色や暗褐色を示します。
これは赤血球に含まれるヘモグロビンが酸化してメトヘモグロビンに変化するためです。
鮮紅色の血液が混じる場合は急性の出血を示唆し、精嚢や前立腺の急性炎症、外傷などが考えられます。
一方、茶色がかった古い血液が混じる場合は、精嚢内での慢性的な出血や血液の貯留を示している可能性があります。
血液の色とともに、出血の持続期間や頻度も診断の手がかりとなるため、受診時に医師に伝えることが重要です。
血精液症の医原性・腫瘍性・血管性原因を知る!前立腺生検後や悪性腫瘍でも起こる
現在の臨床現場においては、前立腺癌スクリーニングの普及に伴い、経直腸的超音波ガイド下前立腺生検(TRUS生検)後の血精液症が最も一般的な医原性原因となっています。
発生率は報告によって5.1%〜89%と幅があります。
前立腺生検後の血精液症は通常数週間で自然に改善するため、心配する必要はありません。
悪性腫瘍が血精液症の原因となるケースは全体の約5%程度であり、そのほとんどは40歳以上の男性に発生します。
前立腺癌、精嚢癌、精巣腫瘍などが原因となりうるため、40歳以上で血精液症が続く場合は詳しい検査が必要です。
動静脈奇形や海綿状血管腫などの血管異常も稀な原因として報告されており、画像検査で診断されることがあります。
“Malignancies were detected in 5.4% (n=74/1362, 11 studies) of patients more than 40 years old. The majority had prostatic carcinoma (67/74, 90.5%).”
引用元:Clinical characteristics, etiology, management and outcome of hematospermia: a systematic review – PMC
全身性疾患による血精液症も注意が必要!血友病・肝硬変・高血圧が関与する場合
血精液症は局所的な泌尿器疾患だけでなく、全身性疾患によっても引き起こされることがあります。
血友病やフォン・ヴィレブランド病などの先天性血液凝固障害では、軽微な刺激でも出血しやすくなるため、血精液症を生じることがあります。
肝硬変による肝機能低下は血小板数の減少や凝固因子の産生低下を招き、出血傾向から血精液症を引き起こす可能性があります。
また、制御不良の高血圧も血精液症との関連が報告されており、血圧コントロールによって症状が改善したケースも存在します。
これらの全身性疾患が疑われる場合は、泌尿器科だけでなく内科的な精査も併せて行うことが適切です。
血精液症の背景に全身疾患がある場合は、原疾患の治療が症状改善の鍵となります。
“Systemic factors: Hemophilia, Von Willebrand disease, Cirrhosis of the liver, Hypertension”
引用元:Etiologic classification, evaluation, and management of hematospermia – PMC
精液が緑色・茶色・黒色になる稀な色の変化!重金属暴露から腫瘍までの原因
精液が緑色や黒色に変化するケースは極めて稀ですが、重篤な疾患が潜んでいる可能性があるため注意が必要です。
緑色の精液は緑膿菌などの特定の細菌感染を示唆することがあり、黒色や濃褐色の精液は古い血液の蓄積や脊髄損傷後の長期不射精などと関連する可能性があります。
茶色の精液は古い血液の混入を反映していることが多く、血精液症の一形態として捉えられます。
これらの稀な色の変化が見られた場合は、速やかに泌尿器科専門医を受診し、原因の精査を受けることが強く推奨されます。
緑色の精液は緑膿菌などのグラム陰性菌感染で色素が産生される
精液が緑色を呈する場合、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)による感染を疑う必要があります。
緑膿菌はピオシアニンという青緑色の色素を産生する唯一の微生物であり、この色素が精液を緑色に染めることがあります。
緑膿菌は日和見感染菌として知られ、免疫力が低下した状態や医療器具の使用後などに感染を起こしやすいとされます。
高度な膿精液症でも精液が緑がかった色になることがあり、これは大量の白血球と膿の混入を反映しています。
緑色の精液が見られた場合は、尿路感染症の可能性も含めて細菌培養検査を行い、原因菌を同定した上で適切な抗菌薬治療を行う必要があります。
“Pseudomonas aeruginosa is the only microorganism that naturally produces pyocyanin which imparts a bluish-green color to the bacterial cultures.”
引用元:A biomedical perspective of pyocyanin from Pseudomonas aeruginosa – PMC
黒色・濃褐色の精液は古い血液の蓄積が原因となる場合がある
精液が黒色や濃褐色を呈する場合、精嚢内での古い血液の蓄積が原因である可能性があります。
長期間排出されなかった血液中のヘモグロビンが酸化・分解されると、精液が暗褐色や黒色を呈することがあります。
また、脊髄損傷患者において精液の色の異常が報告されたケースでは、精液中に重金属(白金、鉛、マンガン、ニッケルなど)が検出されたという医学文献の報告も存在します。
重金属は汚染された食品や飲料水、工業排水などを通じて体内に取り込まれる可能性があり、精子のパラメータに悪影響を与えることが知られています。
黒色の精液が見られた場合は、出血性病変や感染症の有無を含めた詳しい検査が必要です。
“Dark brown or black clots usually indicate that some time has passed since the initial bleeding occurred.”
引用元:Ejaculation: the Process and Characteristics From Start to Finish – PMC
脊髄損傷後の長期不射精で古い出血が蓄積し黒色化する可能性
脊髄損傷を受けた男性では射精機能障害が生じることが多く、長期間射精が行われないと精嚢内に古い分泌物や出血が蓄積する可能性があります。
蓄積した血液中のヘモグロビンが長期間かけて酸化・分解されると、精液が暗褐色や黒色を呈することがあります。
脊髄損傷患者の多くは勃起障害と射精障害を合併しており、これが不妊の原因となっています。
電気射精法や精子回収術などの生殖補助医療技術により、脊髄損傷患者でも子どもを持つことが可能になっています。
脊髄損傷後に精液の色の異常が見られた場合は、泌尿器科とリハビリテーション科が連携した専門的な対応が必要です。
“Most men with spinal cord injury (SCI) are infertile due to a combination of erectile dysfunction, ejaculatory dysfunction, and abnormal semen quality.”
引用元:Reproductive Health of Men with Spinal Cord Injury – PMC
精液の色が異常な場合は泌尿器科受診が必須!検査・診断・治療の流れを解説
精液の色に明らかな異常を認めた場合、特に赤色や緑色など通常では見られない色の場合は、泌尿器科を受診して原因を調べることが推奨されます。
問診では精液の色の変化がいつから始まったか、持続期間、随伴症状の有無などを確認します。
視診や触診に加えて、精液検査、尿検査、血液検査などの基本的な検査が行われ、必要に応じて超音波検査やMRIなどの画像検査が追加されます。
多くの場合、感染症が原因であれば抗菌薬治療で改善し、原因不明の場合でも自然軽快することが多いとされています。
精液の色の異常に気づいたら泌尿器科クリニックで精液検査を受けるべき
精液の色に異常を感じた場合、まず泌尿器科を受診して精液検査を受けることをお勧めします。
精液検査では肉眼的所見として色や透明度を確認するとともに、顕微鏡検査で精子濃度、運動率、形態、白血球数などを評価します。
白血球数の増加は感染症や炎症を示唆し、赤血球の存在は血精液症の客観的な証拠となります。
培養検査により原因菌を特定できれば、適切な抗菌薬を選択することが可能になります。
精液検査の結果は採取条件によって変動するため、WHOの推奨に従い2〜7日間の禁欲期間を設けてから採取することが望ましいとされます。
色の異常以外に症状がある場合は感染症や炎症の可能性が高い
精液の色の変化に加えて、排尿痛、射精痛、会陰部痛、頻尿などの症状がある場合は、感染症や炎症が原因である可能性が高まります。
急性前立腺炎では発熱、悪寒、排尿障害などの全身症状を伴うことが多く、緊急の治療が必要な場合があります。
精嚢炎では射精時の痛みや血精液症を生じることがあり、前立腺炎と合併していることも少なくありません。
性感染症が疑われる場合は、パートナーの検査と治療も併せて行うことが再発防止のために重要です。
症状の程度や持続期間を医師に正確に伝えることで、適切な診断と治療につながります。
「前立腺炎の症状は膀胱炎様症状つまり排尿時痛・頻尿などに加え前立腺の炎症による腫大から排尿障害が加わります。また、会陰部不快感、会陰部痛なども前立腺炎の症状として訴える事があります。また、全身症状として発熱を伴う事が多いです」
引用元:福島県立医科大学 泌尿器科学講座
血精液症では超音波検査・MRI・PSAなど追加検査が必要な場合も
血精液症の原因精査では、基本的な検査に加えて画像検査や腫瘍マーカーの測定が行われることがあります。
経直腸的超音波検査(TRUS)は前立腺や精嚢の病変を非侵襲的に評価できる有用な検査法です。
MRI検査はより詳細な画像情報を提供し、嚢胞性病変や腫瘍の検出に優れています。
40歳以上の男性では前立腺癌のスクリーニングとしてPSA(前立腺特異抗原)の測定が推奨されます。
直腸診で前立腺に異常所見がある場合や、PSA値が高い場合は、前立腺生検による組織診断が検討されます。
系統的レビューによると、直腸診とPSA測定によってほとんどの原因を同定できるとされています。
“Clinical assessment including a rectal examination and a PSA level would be sufficient to identify most causes.”
引用元:Clinical characteristics, etiology, management and outcome of hematospermia: a systematic review – PMC
感染症が原因なら抗菌薬治療で改善!自然軽快する場合と医学的治療が必要な場合
精液の色異常が感染症によるものであれば、適切な抗菌薬治療により改善が期待できます。
細菌性前立腺炎や膿精液症に対しては、前立腺組織への移行性が良好なフルオロキノロン系抗菌薬(シプロフロキサシン、レボフロキサシンなど)が第一選択として用いられます。
クラミジアや淋菌による性感染症では、それぞれに適した抗菌薬(アジスロマイシン、セフトリアキソンなど)による治療が行われます。
治療期間は疾患によって異なりますが、慢性前立腺炎では4〜6週間程度の長期投与が必要になることがあります。
原因不明の血精液症では約88.9%が自然軽快すると報告されており、経過観察のみで済む場合も多いとされます。
「治療としては前立腺に移行性の良い抗生剤が有効で①キノロン、②ST合剤などがよく用いられます」
引用元:福島県立医科大学 泌尿器科学講座
精液の色を正常に保つための予防法!生活習慣改善と定期検査の重要性
精液の色を正常に保つためには、性感染症の予防、適切な射精頻度の維持、健康的な生活習慣の実践が重要です。
泌尿器感染症は精液の色異常の主要な原因であるため、予防に努めることが最も効果的な対策となります。
定期的な健康診断や必要に応じた性感染症検査を受けることで、早期発見・早期治療が可能になります。
生活習慣の改善は精液の質を向上させるだけでなく、全身の健康維持にもつながるため、総合的な観点から取り組むことが望ましいでしょう。
性感染症予防が精液の色異常を防ぐ第一歩!コンドーム使用と定期検査
性感染症は膿精液症や血精液症の重要な原因であり、予防が精液の色異常を防ぐ最も効果的な方法です。
性行為の際にコンドームを正しく使用することで、クラミジア、淋菌、ウレアプラズマなどの性感染症のリスクを大幅に低減できます。
新しいパートナーとの性行為を持つ前後には、性感染症のスクリーニング検査を受けることが推奨されます。
性感染症は無症状で経過することも多いため、定期的な検査が早期発見の鍵となります。
パートナーが感染している場合は、両者が同時に治療を受けないと再感染(ピンポン感染)を繰り返すことになるため、パートナーの検査も重要です。
禁欲期間が長すぎると精液が黄色くなる!2〜7日間の射精頻度が目安
禁欲期間と精液の質には密接な関係があり、WHOは精液検査の際に2〜7日間の禁欲期間を推奨しています。
禁欲期間が長すぎると、精嚢内で古い上皮細胞や分泌物が蓄積し、精液がやや黄色みを帯びることがあります。
一方、禁欲期間が短すぎると精子濃度が低下し、精液が薄く透明に見えることがあります。
妊活中のカップルにとっては、2〜3日おきの射精が精子の質と量のバランスを保つ上で適切とされています。
精液の色が気になる場合は、まず射精頻度を見直すことで改善が見られるケースも少なくありません。
“The recommended duration of ejaculatory abstinence as per the World Health Organization (WHO) manual ranges from 2 to 7 days.”
引用元:Ejaculatory abstinence in semen analysis: does it make a difference? – PMC
喫煙・アルコール・肥満は精液の質と色に影響!生活習慣病の予防が大切
喫煙、過度の飲酒、肥満などの生活習慣は精液の質に悪影響を与えることが研究で示されています。
喫煙者では精液量、精子濃度、運動率、正常形態率がいずれも有意に低下していることが報告されています。
また、喫煙者やマリファナ使用者、多量飲酒者では精液中の白血球数が増加しており、膿精液症のリスクが高まる可能性があります。
過度の飲酒は肝機能障害を引き起こし、黄疸に伴う精液の黄色化の原因となることもあります。
バランスの取れた食事、適度な運動、禁煙、節酒を心がけることで、精液の質と色を正常に保つことが期待できます。
“Current cigarette smokers, marijuana users and heavy alcohol users showed greater numbers of leukocytes in the seminal fluid than did nonusers.”
引用元:Cigarettes, alcohol and marijuana are related to pyospermia in infertile men – PubMed
精液の色異常と不妊症の関連性を知ろう!白血球増加や感染症が妊活に与える影響
精液の色の異常は、不妊症と関連している場合があります。
特に膿精液症(白血球精子症)は男性不妊の重要な原因の一つであり、感染症全般が男性不妊の約15%に関与していると推定されています。
精液の色の変化に気づいた妊活中のカップルは、早めに専門医を受診して原因を調べ、適切な治療を受けることで妊娠率の改善が期待できます。
感染症の治療後は精液パラメータが改善することが多いため、諦めずに治療を継続することが大切です。
感染症は男性不妊の約15%に関与!膿精液症による精子運動能低下と白血球の関係
感染症を含む感染性プロセスは、男性不妊の約15%に関与していると推定されています。
膿精液症(白血球精子症)は不妊男性の約30%に認められ、精子の運動能低下やDNA損傷を引き起こすことで妊孕性に悪影響を与えます。
活性化した白血球は大量の活性酸素(ROS)を産生し、この酸化ストレスが精子の細胞膜損傷、DNA断片化、運動能低下を引き起こします。
精液検査で白血球数の増加が認められた場合は、感染症の有無を調べ、適切な治療を行うことで精液パラメータの改善が期待できます。
膿精液症による精子の質低下は可逆的な場合が多いため、治療により妊娠率の向上が見込めます。
“While there are many etiologies for male factor infertility, infectious processes are estimated to contribute to about 15% of such cases.”
引用元:Review of Guidelines for the Evaluation and Treatment of Leukocytospermia – PMC
血精液症や感染症があると妊娠率が低下する可能性!医学的治療で改善
血精液症や感染症が存在する状態では、炎症による精子形成への悪影響から妊娠率が低下する可能性があります。
炎症状態では精巣内の環境が悪化し、精子の産生量や質が低下することがあります。
しかし、感染症の適切な治療後には精液パラメータが改善することが多く、妊娠成功例も報告されています。
男性不妊治療において膿精液症の診断と治療は重要な位置を占めており、抗菌薬治療、抗酸化サプリメント、生活習慣改善などが組み合わせて行われます。
精液の色に異常を感じたまま妊活を続けるのではなく、まず原因を特定して治療することが、妊娠への近道となるでしょう。
“Leukocytospermia was associated with a significant decrease in sperm motility and increase in DNA damage. Increased seminal leukocytes may play a role in stimulating ROS production by human spermatozoa.”
引用元:Leukocytospermia is associated with increased reactive oxygen species production – PubMed
まとめ
精液の色は男性の健康状態を反映する重要な指標であり、正常な色は白〜灰白色です。
薄い黄色は長期禁欲や加齢による生理的変化の可能性がありますが、鮮やかな黄色は黄疸や感染症、赤色やピンク色は血精液症を示唆します。
緑色や黒色といった稀な色の変化は重篤な疾患の可能性があるため、速やかな受診が必要です。
精液の色に異常を感じた場合は泌尿器科を受診し、原因を特定した上で適切な治療を受けることをお勧めします。
性感染症の予防、適切な射精頻度の維持、健康的な生活習慣の実践が、精液の色を正常に保つための基本となります。
